五十而知天命&バリ島往還

半世紀を生きてきた今、無理しない生き方をゆるーく追及中。バリ旅に学ぶところ多し。

バリがただのビーチリゾートではないと知るまで

2007年に初めてバリに行こうと思ったときの話の続き。

前回、連れ合いに飛行機に13時間も乗れないと言われてしまい、パリに行く計画が頓挫して、代わりにバリ島を旅行先として検討し始めたことを書いた。

 

その時にバリ島について持っていた知識と言えば、旅行会社のカタログラックで、プーケットランカウイなんかと一緒に、アジアのビーチリゾートの枠に並んでいる場所、と言う程度。そもそもビーチリゾートにいくことなんて検討したこともなかったので、それらのカタログを見たこともなかった。

せっかく海外旅行に行くなら、日本とは異なる文化を体験したい。それは文化遺産を見に行くことであったり、その国の歴史の香りに満ちた旧市街を歩くことであったり、その国の絵画や音楽などの芸術を楽しんだりすることだ。ビーチリゾートと言うのは、そういうことをしに行くところではないはずなので、行先の対象にならかなったのだ(← バリ島に関してはこれは誤解だということは後でわかる)。

とりあえず、図書館でバリ島のガイドブックを借りてきた。筆者は、まったく知識のないことに触れる際、インターネットで検索するより前に、文献を当たることにしている。そうしないと、全体像を把握する前に、局所的な情報ばかりが入ってきてしまって邪魔なのだ。文献などというと大仰だが、毎年1回更新版が発売され続けている、よくあるあのガイドブックである。

ページを開くと、まず、ラグジュアリーホテルのきらびやかな写真が目に入る。天蓋付きのベッドがある寝室から、デイベッドの置かれたテラスを越しに、抜けるような青空、ヤシの木、広いプールに沿って並んだビーチパラソル、そして白い砂浜と海を臨む。なるほど、これがビーチリゾートのホテルというものか。

次にスパの情報がずらり。そういえばリゾート地では毎日スパを受けていると先輩も言っていた。マッサージは好きだ。好きだが…、飛行機代に大枚はたいた海外で、マッサージに時間を費やすというのはもったいなくはないのか。

それに、素敵なホテルと海があればいいのであれば、7時間かけてバリに行かなくても、もっと近い、サイパンとかグアムでも同じではないのか。

その当時、筆者はまだそんな風に考えていた。

次にレストランの情報。これはかなり独特な感じだ。面白そうではある。フルーツが豊富なのか。なるほど。興味を引かれないでもない。まあでも、どこの国に行っても食文化は面白い。バリ島である必然性は、少なくともこの時点では感じていなかった。

ふーん、という程度の集中力で、半分くらいページを進んだ。ホテルとスパとレストラン、ショッピングの話で半分きてしまうとは…、どんな場所なのか、さっぱりわからん。

と思ったその時、ページをめくったらドアップでやつが現れた。バロンである。神様なのに「やつ」なんて言ってしまっていいのか。でもその時は、なんじゃこの動物、と思った。

 

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バロン - 神様なのに愛嬌がある。可愛い。

バロンの他にも、きらびやかな衣装をまとった女性の写真が続く。どの国にも踊りを見せる観光名所はある。それほど踊りに興味があるわけではないが、説明を読むと、バリ舞踊は、そもそもは神事だという。

そして観光名所の説明へ進むと、「寺院」がやたらと出てくる。このあたりの文化の説明に、宗教の色が濃い。 バリ・ヒンドゥーと言って、インドのヒンドゥー教と同じルーツを持つが、土着の宗教や他のいろんな宗教と習合した、この島にしかない独自の宗教だという。インドネシア全体だと9割方イスラム教徒だが、この島だけは9割がバリ・ヒンドゥー。あとで知ったが、「神々の島」と呼ばれているらしい。

ちょっとそれ、早く言ってよ~~! 俄然興味が湧いてきた。

宗教という「文化」は、その土地の生活に独特の色合いをつける。音楽や絵画などの芸術にも影響し、人々の日常生活そのものに深く影響を与えるので、その土地に行ってみないとわからない空気感を醸成する。

考えてみれば、最初に調べたビーチリゾートがバリ島でよかった。最初に行ったバリで味を覚えて、いまで海外旅行と言えばビーチでのんびりすることとほぼイコールになってしまったが、バリ島がその宗教文化で気持ちを引き付けてくれなかったら、リゾートの良さを知ることができなかったかもしれない。

次は、実際に初めてバリに行った時のことを書こうと思う。