五十而知天命&バリ島往還

半世紀を生きてきた今、無理しない生き方をゆるーく追及中。バリ旅に学ぶところ多し。

バリ島 ウブド近郊 ◆ タクシーの運ちゃんは「ハンギングガーデン!?」と叫んで奥さんを連れてきた

 

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ウブド - ハンギング ガーデン オブ バリ - インフィニティプール

 

さて、初めてのバリである。時は2007年3月、現地5泊の旅程。

そのときは、その後何回もリピート(2020年までで12回)することになるとは夢にも思わないので、芸能が気になる山中のウブドに3泊、ジンバランのオンザビーチのホテルに2泊して、両方の雰囲気を味わおうと計画した。その辺のツアーでもよくある組み合わせだ。

深い渓谷にケーブルカーで降りていくホテル

ウブドで選んだのは「ハンギング ガーデン オブ バリ」。我ながら、バリで最初のホテルに、えらい気合が入った場所を選んだものである。多分、深い渓谷に張り出したインフィニティプールと、部屋までケーブルカーで谷を降りていく面白さに惹かれたのだと思うが、よく覚えていない。基本的に、ホテルでの滞在は満足の行くものだった。ホスピタリティも良かったし、部屋も素敵だった。

ただ、いかんせん街から遠い。ふらっと遊びに出るわけにはいかないので、出かけるときはタクシーをお願いすることになる。

帰りのタクシーは入場券売り場で

初めてバリに来てまずウブドでの滞在を選んだのは、バリ舞踊が気になったからだ。そういう目的ならば、いまだったら舞踊の会場である王宮近くの宿を選ぶだろうが、その時はタクシーで観に行けばいいだろうと簡単に考えていた。

行きのタクシーはホテルに頼むとして、帰りはどうすればいいだろう。タクシー乗り場はあるのか。と悩みつつ「地球の歩き方」を見たら、バリ舞踊の入場券を買うときに、入場券売り場の人に、帰りのタクシーを頼むと良いと書いてある。へー、そんな方法があるのか。

ということで、タクシーで出かけた。入場券売り場のおっちゃんに帰りのタクシーを頼んだら、慣れた感じで「OK、OK!」と言ってくれた。その日の演目はケチャで、一番見てみたかったものだったので大変満足した。

さて、初めてのバリ芸能を堪能して帰ろうとなったのは、21時近くだった。入場券売り場に行くと、おっちゃんが「おう、帰るのか、こっちだこっちだ」と手招きしてくれた。そして「ちょっと待ってろ」と言って(このへんの会話は英語)、いままで「ケチャケチャケチャ!」とやっていた、まだ衣装を着ているにーちゃんを呼んできて何やら説明を始めた。

にーちゃんは「ハンギング ガーデン!?」と叫んだ

なんと、この人がタクシーの運転手だという。にーちゃんもいつものことなのか、「OK、OK! 」とニコニコしている。バリで芸能にたずさわっている人の多くは、こうした昼間は他の職業を持っている人なのだ。すごいことだと思う。

様子が変わったのは、「で、ホテルはどこ?」と聞かれて、「ハンギング ガーデン なんだけど」と答えた時だった。

にーちゃんは目を剥いて「ハンギング ガーデン!?」と叫んだ。うっひゃ~~とでも言いだしそうなその口調を、筆者と連れ合いはその後なんども思い出しては真似して遊んだものだ。

そのくらい、ハンギング ガーデンはウブドの街中から遠いのである。距離で言えば10kmくらいだろうが、まっしぐらに山中に突っ込んでいく方向にある。Google Mapで見るといまは舗装されているようだが、当時はどうだったか。細い道で街灯もないから時間がかかる。しかも、うろうろしている犬を避けながら走るのだ。

遠いから奥さん連れてっていい?

ウブドには街の近くにもいいホテルがいっぱいあるのに、なにもそんな遠くじゃなくても…、とにーちゃんは思ったに違いない。我々もケチャで疲れているところ申し訳ないとも思うが、他に手段がないのでお願いするしかない。にーちゃんもOKと言ってしまった手前、後には引けないと思ったのだろう、車はこの近くの家にあるから着いてきて、と歩き始めた。

その道すがら、にーちゃんが、ハンギングガーデンはちょっと遠いから、奥さん連れてっていい?と言った。奥さん?!なんでだ、と思ったが、別に断る理由もないので、いいよ~、と答える。もしかして、ケチャの後に帰りが遅いと、何か疑われるのかな?にーちゃん、普段の行いが悪いんじゃないのか。

そのあたりはよくわからないが、ともかくにーちゃんは奥さんを助手席に乗せ、我々を後部座席に乗せて、ハンギングガーデンまで行ってくれた。ガタピシ走る車でシートもぼこぼこしていたが、その頃のタクシーはこんなもんだった。時々我々にブロークンな英語で話しかけ、奥さんとはたぶんバリ語でごしょごしょと何か会話しながら、街灯のない真っ暗な道を走っていった。

ふっかけられはしたけれども

ハンギングガーデンに着くと、スタッフが飛んできてドアを開けてくれる。高級ホテルだなぁ。当時のウブドにはメータータクシーなどないので価格は交渉である。言われた値段が予想より高いなと思っていたら、ホテルのスタッフが「そんなにふっかけるんじゃないよ、半額くらいでしょ」とにーちゃんに文句を言ってくれた。でも、奥さんに遠慮しながらケチャの後にここまで連れてきてくれたので、スタッフが言ってくれた値段と吹っ掛けられた値段の間くらいの料金を払った。

タクシーで帰ってきただけなのに、ウブドに暮らす人の日常を垣間見たような、良い経験になった。 

Hanging Garden of Bali

古い話でハンギングガーデンの写真があまり見つからないので、Youtubeの紹介動画を貼っておく。