梅雨のいまは、蒸し暑かったかと思うと、いつの間にか気温が下がってひんやりすることがある。そういう梅雨寒や、秋口に急に気温が下がった日などに、油断してうっかり体を冷やしてしまうと、十中八九、のどの調子が悪くなる。
白湯を飲む。さらに飲む。まだまだ飲む。
まず、じんわりと、痛いとまではいかない違和感をのどに感じる。第一段階。
この段階で気づいたら、白湯を飲む。一度にたくさん飲まないで、ちびちびと飲み続ける。体が温まり、内から湿度を保つことができる。それでちゃんと栄養を取り、体を休め、睡眠を十分とれば、たいてい解消することができる。
これは、ある女優さんが雑誌のコラムで書いていたのを見てから実践している対処法で、とても効き目がある。コラムでは白湯を飲み続ける様子を、「白湯を飲む。さらに飲む。まだまだ飲む」と書かれていた。私も白湯を飲みながら、さらに飲む、まだまだ飲む、と内心で唱えている。
違和感が痛みに変わるとのどが腫れてきて・・・
この第一段階のときに仕事が忙しかったり、外せない用事で長時間出かけていて「白湯を飲みつづける」対処ができないでいると、気づいたときには違和感が痛みに変わっている。鏡で見ると、喉の奥が赤い。第二段階。
こうなると、白湯を飲むだけでは治まらない。ちょっとくらい休んだだけでは回復せず、どんどんのどが腫れてきて、ついに発熱する。第三段階。
以前は、第二段階に到達してしまうと、第三段階への移行を防ぐことができなかった。熱が出てから病院に行って、抗生物質をもらうのが子供のころからのパターンだった。いつからか薬剤耐性菌の問題があって内科の先生はあまり抗生物質を出してくれなくなったし、咳、くしゃみ、鼻水、腹痛などの他の風邪症状がほぼなくて、いつも咽頭炎のみだったので、耳鼻咽喉科に行くことにしていた。
いままで知らなかったことが悔しいほどの効き目
しかし今では、のどが赤くなる第二段階まできてしまっても、そこで踏みとどまれる手段を持っている。桔梗湯(キキョウトウ)である。
漢方薬に詳しい方なら当たり前の選択肢なのだろうが、私は昨年まで知らなかった。今の主治医(内科)に偏頭痛予防の漢方薬をもらいに行ったときに、たまたまのどの調子も良くなかったので相談したら、この薬を処方してくれた。名前も綺麗だが、このツムラのパッケージは濃い紅色が美しい。
うがいしてから飲み込む桔梗湯
これの服用方法はちょっと変わっている。まずお湯に溶かして、うがいをする。のどの痛いところに直接染み込ませるイメージ。その後、そのままごくんと飲み込む。内服薬としても効くのだそうだ。
この桔梗湯が、本当に良く効く。それ以来、第三段階に進んだことがない。違和感の段階でも、やばい、と感じたらすぐ使うようにしているので、偏頭痛予防薬と合わせて、常に手元に置けるように処方してもらっている。
市販薬には、顆粒の他にトローチや液状のものも出ている。