五十而知天命&バリ島往還

半世紀を生きてきた今、無理しない生き方をゆるーく追及中。バリ旅に学ぶところ多し。

観光スポットで誰もがレンズ越しに風景を見ている件

 

デジカメ時代の写真の発掘

別ブログで過去のバリ島への旅行のことを書き始めた( → バリには 何もしない がある )ことをきっかけに、昔の写真を探してみた。昔といってもフィルムで撮っていたころの話ではなく、スマホで写真を撮るようになる前の、デジカメ時代の写真だ。

スマホで取るようになってからは自動的にクラウドにバックアップしているが、デジカメのときは、旅行から帰るたびに、PCのHDDのフォルダに整理していた。それらのデータは、PCが変わるときにDVDや外付けHDDにバックアップを取っておいたが、ほとんど見ることもなく、他のDVDやCDに紛れて、あやうくなくしてしまうところだった。

なんとか探し出して、いまのPCのHDDに整理しなおし、ブログに使う旅の写真はクラウドにもアップロードしておいた。これで記事に合わせていつでも使える。

ブログに使える写真が意外に少ない

ところが、どんな写真があるか眺めてみると、意外にブログに使える写真が少ない。デジカメ時代の写真には、多くの場合に家族や自分が写っていて、公開できないのだ。

リゾートホテルのレストラン、公開できない人の顔が「へのへのもへじ」で上書きされている画像

リゾートホテルの紹介をしたいけど家族が写っていて…

実は当時、観光地に行くと誰もかれもがカメラを構えていることに、なんとなく反抗的な気持ちを持っていた。有名な風景や歴史的建造物は、プロが撮った写真が世の中にいくらでもあるのだから、ずっとファインダーをのぞき込んで下手な写真を撮るくらいなら、肉眼で見る時間を増やした方がいいだろうと思っていたのだ。

海外の教会での衝撃映像(若干トラウマ)

これには、かなり昔に海外の観光地に行ったときの、ちょっと衝撃を受けた光景が影響している。そこは有名な教会で、バス2台で同時に到着した50人ほどの人と一緒の、見学ツアーだった。

私は団体の先頭にいたが、歩くのが速い方なので後ろの人とちょっと離れて先に奥まで進み、そこで何気なく振り向いた。その時目に飛び込んできたのは、その50人ほどの人たちが、教会の横幅いっぱいに広がり、ほとんど 全員がカメラを顔の前にかざしたポーズでじりじりと迫ってくる光景 だった!

なんとも異様だった。今となっては、その様子を写真に撮っておかなかったことが悔やまれる。正面の天井近くの装飾が有名だったので、それを写真におさめようと、誰もかれもが教会に入ったとたんにカメラを構えていたのだった。その後の滞在時間中も、けっこう長い時間あちこちを向いて、写真を撮っている。

ほとんどレンズ越しに見てない?

ツアー中の観光のこと、教会にいられる時間はそんなに長くはない。その時間のほとんどを、レンズ越しに、壁の装飾を四角く切り取ることに汲々としている。写真愛好家ならともかくとして、そんなことをするために、わざわざ十何時間も飛行機に乗ってここまで来たのか。

そんな風に考えたら、観光スポットに着くたびに、いちいち写真を撮ることがばかばかしくなってしまったのだ。

それからは、どこかに到着すると、まずはレンズ越しではなく肉眼で、視界すべてを使って風景を見て、その場の空気を感じることに時間を使うようになった。物より思い出、ならぬ、撮影より思い出、というところか。

家族の思い出という写真の機能

そういうわけで、デジカメ時代の写真には、風景や建物だけの写真が、あまりない。ただ、家族旅行の思い出としては写真に残したかったので、背景にどこに行ったか分かる程度の風物を入れて、スナップ写真は撮っていた。

今回の発掘で、20~10年前くらいの間の、今よりも少し若い両親、小さかった甥や姪、最近亡くなった祖母が元気だった頃の写真などがたくさん出てきて、そういうものを眺めているのはとても懐かしく、楽しかった。今度本人たちに会ったときには、ぜひ見せてあげたい。その頃の旅行写真は、まさにそういう用途のものだった。

SNSの登場で写真の撮り方が変わってきたのかも

それが変わってきたのが、スマホのカメラが持っていたデジカメの性能を超え、SNSが流行してからだった。普段から、ちょっと良いと思った風景や、SNSの記事ネタになりそうな変わったものが目に入ったときなどに、ちょいちょい写真を撮る習慣ができた。旅行中の写真もそのノリで撮るようになって、家族が写っていない写真が増えた。

 

それでもやっぱり、何か撮りたくなるようなものがあっても、周囲の人たちがこぞってそれにレンズを向けているのに気づくと、あの教会での異様な光景が頭に浮かんで、撮るのをやめてしまう。撮っておこうかなという気持ちに、端から見ると異様なああいう集団の一員にはなりたくないという抵抗感が上回る。

それにSNS隆盛の今、大勢が撮っているものなら、検索すればきっと誰かが公開している。便利な世の中になったものだ。撮影は上手に撮れる人に任せて、私は肉眼で見つめることに集中させてもらうことにしている。